K-methodを受けた患者さまの声

- 木原俊壱先生に腰の手術を受けて -

東レ株式会社 元副社長 三井茂雄

 私は70歳の男性です。木原先生に脊柱管狭窄症の手術を受け、四ヶ月になります。術前、痛みとしびれで100Mも歩けませんでしたが、今では散歩も外出も自由に出来ます。先生に感謝し、同病の方への参考のため、私のケースについてお伝えします。
二年前の秋、散歩中に右腰の後ろから、臀部、腿の後ろにかけ筋肉がひきつり痛みを辛抱して歩くうち足先までしびれてきて、歩行が困難となりました。一休みすると落ち着きましたが、10分も歩くと又同じ症状をくりかえします。もともとヘルニアによる痛みなど、腰痛持ちの私にもはじめての経験でした。初詣のお伊勢さんでは、五十鈴橋から本殿までの途中で一回休みやっとお参りする始末でした。
春になり痛みは収まりましたが翌年一月に再発しました。今度は症状が進み5分と続けて歩けなくなり、春には一層悪化しました。たまらず、紹介する人がいて木原先生の診察を受けました。「脊柱管狭窄症です。このままだと車椅子です」と手術を勧められました。「腰の手術は怖い。慎重に」と失敗例をあげてアドバイスしてくれる人も何人かいました。
先生は「大丈夫です。手術の翌日には歩けますし、必ず良くなります」と事もなげにおっしゃいました。紹介してくれた人の奥さんも先生に頚椎の手術を受け、すっかり良くなり「信頼できる先生ですよ」と言ってくれました。
ゴールデンウィーク前に入院しました。入院、手術はたんたんと進み予定通りめでたく退院できました。先生が手術にあたって大事に考えていることとおっしゃった[痛みも苦しみも少ない手術」でした。おかげさまで全身麻酔による体力の落ち込みも少なく退院しました。
忙しくお疲れであろうに、土曜日、日曜日、休日にも病室を見舞い励ましてくださいました。病院のスタッフの皆さん方も親切で明るくよくやってもらいました。
病棟は常に満室ですが、退院する人、入院する人が標準化された流れ作業のように計画通り短サイクルで絶えず入れ替わり、皆さん「手術してよかった」と明るい顔で退院して行きます。
「腰の手術の安全」は、総論ではなく「どこで、誰が手術するか」という各論そのものである事を改めて痛感しました。
先生は「私は工夫を重ね、治具も考案し、切開する長さを通常の半分以下にしているので痛みが少なく筋肉の回復が早くなり患者さんの負担が軽くてすみます」と仰っています。
過日の新聞記事に骨折を治療するのに、従来のような大きなギブスで永く固めるのでなく、外部で骨を固定する方法が開発され、手術の切開の長さも短くできるため、患者の負担と筋力の低下が軽減できると報じられていました。
これはまさに従来から先生が進められてきた「患者の立場にたった治療」を探る動きがようやく広がりつつあることを示すものでしょう。
日本に於ける、臨床医療のあり方と改革の必要性が指摘されて久しいように思いますが、先生は、行政の動きを待つのでなく、自ら「患者のために」を真正面に掲げ、「苦痛が少なく回復が早い医療技術」「実績をもって示す信頼」に敢然と取り組まれ、新しい技術の開発と普及に成果をあげられるとともに、毎週8人の手術を手がけられ「現場と患者」をなによりも大事にご活躍されておられます。
心から敬意を表し一層のご活躍を期待する次第です。行政もこういう動きにインセンチブを与えるシステム作りを急いでほしいものです。
先生のような考え方と実践が出来る医療時代の早い到来を願ってやみません。