K-methodを受けた患者さまの声

- 木原先生に手術を受けて -

大津市民病院 院長 三澤信一

1年ばかり前から時々左手の肘から小指にかけてしびれがあり、持続時間や範囲が進行している感じがしていました。平成16年9月のある日、ふと左腕が重くなり筋力低下を感じたため木原医師に相談しました。MRI検査の結果、頚部脊柱管狭窄症と診断されました。症状が進行する可能性があること、鞭打ちなどにあうと四肢麻痺になる危険性があることなどから、手術を薦められました。
手術当日は9時前に病室を出て昼過ぎに病室に戻りました。全身麻酔のため手術を受けた実感はありませんが、麻酔から覚めると左腕のしびれは感じなくなっていました。手術室で頸にソフトカラーが装着され違和感がありましたが、傷が痛むこともなく楽な術後でした。手術部位にドレーンが入っているため、看護師の介助なしに体位変換が出来ないことが苦痛といえば苦痛でしたが、それも1日の辛抱で、翌日の午後には室内歩行が許可されました。2日目からは姿勢を正しくして歩くことを薦められましたので、午前と午後の散歩が入院中の日課でした。歩くようになると肩から頚にかけて凝った感じが出ました。医師から退院後の生活指導を受けて、予定通り無事に退院しました。レントゲンでは第3~6頸椎に挿入された人工骨がきれいに並んでいました。
入院前にクリニカルパスで説明を受けますので入院から退院までの経過を予測する事ができます。お医者さんは朝か夕に、看護師さんは1日数回様子を見にきてくれますが、頚のカラーが煩わしいことを除けば元気で、病気や手術のことはあまり話題になりませんでした。退院後は2週間自宅で療養し、朝夕琵琶湖岸の散歩を楽しみました。肩こりも1ヶ月位すると和らぎました。手術から2カ月目には少しずつカラーをはずしますが、煩わしかったカラーでもはずすと不安なもので、すこしづつ生首の時間を長くして自信をつけました。
かつて頸椎の手術といえばむずかしい、良くなるかどうかわからない、手術後の長期の安静がつらい、というイメージでした。ところが、今回受けた頸椎拡大椎弓形成術は木原医師の低侵襲、つまり傷はできるだけ小さく筋肉や腱を傷つけないように、というポリシーと人工骨の改良により手術成績は安定し、術後も考えられないくらい楽でした。自分が病人と感じたのは手術当日と翌日くらいで、その後は散歩と読書の毎日でした。医学は日進月歩ですが、私はこの時期に発病したことと木原医師に巡り会えたことが幸いであったと感じています。